ブログ記事より抜粋
Enjoy Simple English 25/9/24(水)Donating the Gift of Life 命の贈り物
donate blood /ˈdoʊneɪt blʌd/ 献血する
for the last time /fɔːr ðə læst taɪm/ 最後に
save the lives of /seɪv ðə laɪvz əv/ ~の命を救う
surgery /ˈsɜːrdʒəri/ 手術
remove /rɪˈmuːv/ 取り除く
experience /ɪkˈspɪriəns/ 経験
turn 18 /tɜːrn eɪˈtiːn/ 18歳になる
even though /ˈiːvən ðoʊ/ ~だけれども
needle /ˈniːdl/ 針
find out /faɪnd aʊt/ 調べる、突き止める
Rh positive / negative /ɑːr eɪtʃ ˈpɑːzətɪv/ /ˈneɡətɪv/ Rhプラス/マイナス(血液型)
pregnant woman /ˈpreɡnənt ˈwʊmən/ 妊婦
carry a baby /ˈkæri ə ˈbeɪbi/ 赤ちゃんを身ごもる
medication /ˌmedɪˈkeɪʃən/ 薬、治療薬
special chemical /ˈspeʃəl ˈkemɪkl/ 特殊な化学物質
experiment /ɪkˈsperɪmənt/ 実験
anti-D /ˌænti ˈdiː/ 抗D(免疫グロブリン製剤)
every week /ˈevri wiːk/ 毎週
vein /veɪn/ 静脈
bottle of anti-D /ˈbɑːtl əv ˌænti ˈdiː/ 抗D製剤のボトル
past the age of /pæst ðə eɪdʒ əv/ ~歳を過ぎて
the gift of life /ðə ɡɪft əv laɪf/ 命の贈り物
2018年5月11日、81歳のオーストラリア人男性が人生で最後の献血を行いました。彼は60年以上にわたり献血を続け、その血は約240万人の赤ちゃんの命を救ってきました。どうしてそんなことが可能だったのでしょうか。この驚くべき物語を見ていきましょう。
1951年、ジェームズ・ハリソンが14歳のとき、肺の片方を摘出する手術を受けました。その手術中に、ジェームズは約8リットルの輸血を受けました。
「輸血のおかげで私は命を救われました。」
この経験から、ジェームズは人々を助けたいと思うようになりました。オーストラリアでは18歳になると献血ができます。そこで、18歳になったジェームズは、針が嫌いにもかかわらず献血を始めました。
同じ頃、オーストラリアの科学者たちは、毎年何千人もの赤ちゃんが亡くなる原因を突き止めようとしていました。そして1960年代半ばに、母親と赤ちゃんの血液型が違う場合に問題が起こることを発見しました。ほとんどの人はRhプラスの血液を持っていますが、一部の人はRhマイナスです。Rhマイナスの妊婦がRhプラスの赤ちゃんを身ごもると、赤ちゃんが亡くなることがあるのです。科学者たちは薬でこの問題を解決できると考えました。しかしその薬を作るには、特殊な化学物質を血液中に持つ人物を国中から探す必要がありました。そして、その物質を持っていたのがジェームズだったのです。
「実験に参加してほしいと頼まれました。」
やがて科学者たちはジェームズの血液を使い、「抗D」と呼ばれる薬を作りました。ジェームズは献血すればするほど多くの赤ちゃんが救われると知っていました。2018年まで、ジェームズはほぼ毎週献血を続けました。彼は孫のスコットの命も救いました。右腕から1,163回、左腕から10回の献血を行いました。これについてジェームズはこう語っています。
「気のせいかもしれませんが、左腕では針を感じます。右腕では感じないんです。」
1960年代にジェームズを見つけた科学者ロビン・バーローは言います。
「ジェームズのような人は見たことがありません。彼の静脈はとても強いのです。オーストラリアで作られたすべての抗D製剤には、ジェームズの血が入っています。」
科学者たちは、なぜジェームズがその特別な物質を作れるのか正確にはわかっていません。しかし14歳の時に輸血を受けたことが関係しているのではないかと考えています。ジェームズは献血を続けたかったのですが、81歳を過ぎての献血は危険だと医師が判断し、やめるように求めました。
最後の献血の日、ジェームズはこう語りました。
「私より多く献血する人が現れてほしい。それは、その人が本当に人を助けたいということだから。」
ジェームズは、誰かが命の贈り物である献血を続けてくれることを願っています。