Enjoy Simple English 25/5/23(金)Of a Mirror and a Bell 鏡と鐘の
It’s Friday. Easy Simple English の 森崎ウィンです。毎週金曜日は 小泉八雲が愛した日本の民話です。
今週は「鏡と鐘の」という話をお送りします。 お寺で鐘を作るために人々から銅の鏡を集めますが、鏡を渡したことに後悔した女性の話です。
ストーリーの中の swamp というのが沼という意味です。 それでは Let’s listen to the story together.
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century ˈsɛntʃəri 世紀
priest priːst 僧侶、神父
donate ˈdoʊneɪt 寄付する
bronze mirror brɑːnz ˈmɪrər 青銅の鏡
melt mɛlt 溶かす
bell bɛl 鐘
temple ˈtɛmpəl 寺
regret rɪˈɡrɛt 後悔する
soul soʊl 魂
foolishly ˈfuːlɪʃli 愚かにも
attached to əˈtætʃt tuː ~に執着している
ashamed əˈʃeɪmd 恥じている
kill oneself kɪl wʌnˈsɛlf 自殺する
wealth wɛlθ 富
ring (a bell) rɪŋ 鐘を鳴らす
break breɪk 壊す
hang hæŋ 吊るす
swamp swɑːmp 沼
legend ˈlɛdʒənd 伝説
in place of ɪn pleɪs ʌv ~の代わりに
magical ˈmædʒɪkəl 魔法のような
nazoraeru (Japanese) (なぞらえる) 何かを別のものになぞらえる(代用して願掛けする)
warrior ˈwɔːriər 戦士
urgently ˈɜːrdʒəntli 緊急に
tradition trəˈdɪʃən 伝統
pot pɑːt 鍋
cry out kraɪ aʊt 叫ぶ
piece of gold piːs ʌv ɡoʊld 金貨
guest ɡɛst 宿泊客、来客
spread sprɛd 広まる
copy ˈkɑːpi 真似する
farmer ˈfɑːrmər 農民
mud mʌd 泥
robe roʊb (ゆったりした)衣
rise up raɪz ʌp 現れる、立ち上がる
prayer prɛr 祈り
jar dʒɑːr 壺
cover ˈkʌvər 蓋、覆うもの
disappear ˌdɪsəˈpɪr 消える
8世紀前、遠江地方の無間山の僧たちは、女性たちに青銅の鏡を寄付するよう呼びかけました。彼らは、それらを溶かしてお寺の大きな鐘を作るために鏡を集めていたのです。
ある若い女性が鏡を寄付しましたが、その後、自分の選択を後悔しました。
彼女は心の中でこう思いました。「“鏡は女の魂”という古い言い伝えがあるのに、私は愚かにも自分の人生の一部を手放してしまった気がする…」
鐘を作る過程で、どうしても一枚の鏡だけが溶けませんでした。若い女性のわがままな魂が鏡に宿り、炎の中でもその鏡は硬く冷たいままだったのです。
誰の鏡が溶けないか、すぐに皆に知られました。若い女性は恥を感じ、自ら命を絶ちました。
彼女は手紙を残していました。「私は幽霊となり、この鐘を鳴らして壊す者に大きな富を与えます」
鐘が完成し寺に吊るされると、多くの人が鳴らしにやって来ました。昼夜問わず、彼らは鐘を鳴らし続けました。しかし、鐘は決して壊れませんでした。
僧たちはその音にうんざりし、鐘を沼に転がし入れてしまいました。鐘は姿を消し、「無間の鐘(むげんがね)」という伝説になりました。
鐘が沼に沈んだあと、人々は実際に鐘を鳴らすことができなくなったので、代わりの物を使って願いを叶えようとしました。
これは日本の「なぞらえ(nazoraeru)」という考え方に基づいています。あるものを別のものに見立てて、魔法的な効果を期待するというものです。
ある女性「梅枝(うめがえ)」は、平家の戦士を愛していました。ある日、その戦士は急にお金を必要としました。
梅枝は無間の鐘の伝説を思い出し、青銅の鍋を鐘に見立て、それを叩き壊して「金貨300枚が欲しい!」と叫びました。
同じ宿にいたある客がその話を聞き、梅枝に金貨を与えました。
この話は広まり、多くの人が彼女の真似をしようとしました。とても貧しい農民が泥で作った鐘で同じことを試みました。
彼はお金を浪費して貧しくなった男でした。彼が鐘を壊したとき、白い着物を着た女の幽霊が地面から現れ、こう言いました。
「あなたの祈りを聞きました。この壺を受け取りなさい」
そう言って彼に蓋付きの壺を渡し、姿を消しました。
喜んだ男は家に駆け込んで妻に良い知らせを伝え、一緒に壺を開けました。
壺の中身は――実は、私にもお伝えできません。